未来に意識があるから止めるのが辛くなる

タバコをやめてもう20年近く経つ。

やめるときのことを今振り振り返ってみた。

「昼の休憩の時に吸えない」

「ご飯食べたあと吸えない」

「コーヒー飲みながら吸えない」

「明日飲み会があるけど吸えない」

今吸いたい!という思いよりも、あとで吸えないことを考えてる時間が圧倒的に多かった。

常に意識が未来に貼りついている状態。

もちろんはじめのうちは今吸いたいと思うことも多く、イライライしたり、貧乏ゆすりしたり、ぼーっとしたり、心や体に影響が現れることもあった。

でもしばらくするとそれは落ち着く。だけど、あとで吸えないことを考える時間はなかなか減らない。

それは、今吸いたいのではなくて、未来で吸えないことを想像して、そのイメージに苦しんでいるだけ。

その未来が来たときは、吸わなくても案外どうってことない。でもその未来が来るまでは吸えないことが怖い。

なんだかばかばかしい。

いつも先ばっか考えて、それに苦しんでいる。

自分で作ったイメージに自分がやられてる。

だったら先を考えなければいい。

「今吸いたくないならそれでいい」

そう心の中でつぶやく。そうするすると未来に貼りついていた意識が今に向く。

だけど、また未来に引き戻される。

そうしたらまた

「今吸いたくないならそれでいい」

とつぶやく。

その繰り返し。

頭はいつも未来を見たがる。

これは何もタバコじゃなくて他の依存症にも言えることだし、日常的に考えていることもそう。

先ばかり見てしまうから辛くなる。辛くなるけど見たい。

このジレンマから抜け出すには、未来を見て苦しんでいることに気づいて、今を見るようにすればいい。

未来を見る癖は簡単には治らないかもしれない。それは無意識に染みついてしまっているものだから。

でも「治るかもしれない」と思ってまずはやってみることが大事。

そうすれば未来に貼りついてばかりの意識を今に向けることができるかもしれない。

やってみるとわかるけど、今に意識がある状態が長ければ長いほど、心は穏やかで温かくなる。

一日で数分でもいい。それは大きなパワーになる。

心が平穏であれば、目の前の現実も平穏になる。

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