映像に変換する脳が上手く機能しないと見えるようにはならない

今回は「見る」という行為について少し詳しく紹介していきます。

例えば、
どれだけ高画素のスマホやデジカメで写真を撮っても、撮ったデータを印刷するプリンタの性能が良くないと、写真の画質は綺麗にならないですよね。

入力(スマホ)がどれだけ良くても、出力(プリンタ)が良くないと、結果の見え方は綺麗にならないということです。

DVDの映像も同じです。どれだけ高画質のDVDディスク、DVDプレーヤーを使っても、その映像データを映し出すテレビの性能が良くないと、きれいな映像を映し出すことはできません。

音楽のCDやレコードも同じ。CDやレコード自体の音質が良くても、出力するステレオやスピーカー、ヘッドホンの性能が良くなければ、良い音質で聴くことはできません。

これと同じことが人間の「見る」という行為にも言えます。

実は、目はただのレンズで、実際に見ているのは脳なんです。
さきほどの例えで言うなら、入力が目、出力が脳になります。

「見る」を分解するとこうなります。

目(レンズ)が光を捉える

捉えた光を網膜が電気信号に変換する

電気信号が脳の視覚野に送られる

視覚野が映像に変換する

脳が何の映像なのかを判断する

映像を作り出しているのは脳であり、その映像を見ているのも脳ということなんですね。

だから実際に見ているのは目ではなく、脳内の映像を脳が見ていることになりますね。

そうなると、どれだけ目からの情報が高画質であったとしても、映像に変換する脳が上手く機能しないと高画質にはならないということです。

「目が捉えた光を電気信号に変換して脳が映像を作り出す」

これは研究でも証明されています。

スペインのミゲルヘルナンデス大学の神経工学部のエドゥアルド・フェルナンデス氏らによって行われた研究で、脳に直接電気信号を送るインプラントが開発されました。

以下は実験の内容です。

盲目患者の脳にこのインプラントを装着する。

そして、カメラが捉えた視覚情報をコンピューターで電気信号に変換し、脳内のインプラントに送る。

すると患者は、カメラが捉えた文字や紙に印刷された人や物を知覚することができたとのこと。

ここで重要なのは、最終的に知覚できる映像を作っているのは脳だということです。

これは自力で視力回復をやるうえで大きなヒントになります。

眼筋を鍛えたりマッサージをしたり、そうやって目の機能を本来の正常な状態に戻す。これは入力の機能を正常に戻すためにやったほうがいいです。

でも、これだけでは片手落ち。

その他に、目から入ってきた情報を映像に変換する脳の機能を正常な状態に戻す。つまり出力の機能も正常に戻さないといけないということです。

この2つを行うことで視力回復の可能性が見えてきます。

ではそうやって脳の変換機能を正常に戻すのか?

いくつか方法がありますが、私がすすめているのは潜在意識を使う方法です。

どれだけ眼筋を鍛えて入力である目の機能が回復しても、潜在意識が「自分の目で見よう」としなければ、出力である脳による映像変換はきちんと行われません。

じゃあ「自分の目で見よう」と頭の中で強く思っていればいいのか?

いや、そう簡単にいかないのが潜在意識です。

潜在意識は深層の意識なので、簡単にはコントロールできないんですね。これは、メガネやコンタクトを使ってきた時間が長ければ長いほど、難しくなります。

なぜなら、それだけ長い間、「メガネを使わないと見えない」ということを潜在意識に刻みつけてきたからです。

その強い信念を少しずつ書き換えていく必要があります。

それと、潜在意識を書き換えるには心の状態がとても大事です。だから体だけでなく心にもアプローチしていく必要があるのです。

「眼筋を鍛えるトレーニングをしても一向に視力が回復しない」
「いろいろな視力回復法を試したけれど上手くいかない」

そんな人は、目だけでなく、潜在意識にも注意を向けてみるのがいいかもしれないですね。

目で捉えた光を脳が映像に変換している。入力は目、出力は脳。
そういうイメージを持ってやってみるといいかもしれません。

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