ある日の朝、目が覚めて立ち上げると、足のかかとにするどい痛みが走った。
さて、あなたならどうしますか?
きっと、ほとんど人が
「なんで足がこんなに痛いんだろう?」
「昨日なんかあったかな?」
と原因を探すんじゃないでしょうか?
「そういえば昨日、自転車が壊れて、30分以上となり街まで歩いて買い物に行ったんだよな」
「そのせいかもしれない」
そうやって原因を見つけ、
「いやきっとそうだ、それ以外原因が思いつかないし」
たとえ原因が思い当たらなくても、
「寒い日に突然立ち上げると、かかとが痛くなることがある。40代に多いらしい。そんな話をテレビで見た。まさにこれだ!」
こんな感じで原因を無理やり探したりしてませんか?
何で原因を探してしまうかというと、人は起こったことに何か理由がないと、不安になってしまうからです。
はやく原因を見つけて確定させて安心したい
そんな本能があるのです。
でもここで、早まって原因を確定させることはおすすめしません。
こうしたらこうなるを確定させると、それが自分の中でルールとしてできあがってしまうからです。
今回のことで例えるなら
30分以上歩く→次の日かかとが痛む
寒い日に突然立ち上げる→かかとが痛む
というルールを採用してしまうということです。
すると、30分以上歩くまたは、寒い日に突然立ち上げる度に、このルールを思い出すようになります。
もともとルールがなかった状態ならば、30分以上歩いても、かかとは痛くならなかったのに、今や30分以上歩くたびにかかとが痛くなる。
これは潜在意識にそのような観念が植え付けられてしまったからです。
「人前で話すとお腹が痛くなる」というのも同じです。
以前に、人前で話した時にお腹が痛くなった経験が、
「人前で話すとお腹が痛くなる」という観念になってしまい、
それが潜在意識に植え付けられています。
一方でそういう観念がない人は、人前で話してもお腹が痛くなりません。
かかたの痛みも同じで、30分以上歩いても痛くならない人もいます。
両者の違いはそういう観念を持っているか持っていないかの違いなのです。
ここで、「いや体質の違いもあるんじゃないの?」と思った人もいると思います。
確かに、お腹が痛くなりやすい体質、足が痛くなりやすい体質、あると思います。
ですが、それすらも、「こういう体質だ」と確定した自分自身の観念からきています。
私自身も以前はそういった観念をたくさん持っていました。
そのひとつに、「咳がではじめるとなかなか止まらなくなる」
というものでした。
一度つぼにはまると息苦しくなるまで咳が止まらなくて、咳のし過ぎでお腹が筋肉痛になってました。
そのときはそういう体質だということで納得していたので、特に悩んでいたわけでもありません。
・・・てか、これだと話は終わってしまうで、
ここで、今回の話にこのことを当てはめてみます。
まずはじめは、風邪をひいた時に咳がでることがありました。
そのうち、たまに一度の咳が長く続くことがありました。
「なんだか咳が止まらないことがあるな」
そんな風に思ってました。咳がとまらないと周りの目も気になるので、次第に咳がとまらないことを意識することが多くなっていきました。
そして、だんだん咳が止まらない回数が増えていきました。
そこで病院に行くと、気管支炎と診断されました。
風邪をひいたときは辛かったけど、治れば忘れてしまったので、咳が出た時は
「あ~また気管支炎か、まあこいう体質だからしかたないんだろうな」
と納得していました。
でも、あるときから気管支炎がすっかり良くなったのです。
それは、
「体の不調は、思い込み(観念)なのかもしれない」
と疑ってみたあとからです。
そう考えるようになってから、気管支炎も含めて、体の不調は少しずつ良くなっていきました。
それだけでなく、今起こっている不調に対しても、不調を持続させないでいることができるようになりました。
冒頭で話した、かかとの痛みを私も感じたことがあります。
でもそこで、原因を探さず、
「今たまたま起こっていること」
「気にしなければ過ぎ去っていく」
そういう気持ちでいたら、その通りになりました。
だから、私は体のどこかに不調があったとき原因探すことはしません。
原因を確定させると治りづらくなるし、自分ルールが作られてしまうのを知っているからです。
そうはいっても、頭では探したくなりますが、そこはちょっと我慢して先ほどの、
「気にしなければ過ぎ去っていく」
を信じて、考えないようにします。それに慣れてくると心も穏やかになり、不調を考える時間も減り、気づいたころには治っていることが多いです。
最後に、今回の話は、視力低下の初期段階についても言えることです。
もともと見えていたのに、一時的な見えづらさで不安になり、原因を探し、それを確定させてませんか?
原因を見つけて安心したいのはわかります。でもそれでもしメガネをかけることになり、それがずーっと続いてしまうということを考えると、
「この見えずらさはもしかしたら一時的なものかもしれない」
「気にしなければ良くなっていくかもしれない」
と疑ってみることをおすすめします。
少し様子を見てからでも遅くはないですからね。